数十秒だけ道路を支配した快感 〜人を動かすことの甘美さと、その後の品格〜


運送会社に入社して1ヶ月。

昨日、先輩のトラックを誘導する場面があった。

バックで車道に出るため、まっつんスタイルが車から降りて合図を送る。

頭を下げながら、前から来る車を止めて、後ろの車も止めて、ジェスチャーでゆっくりと誘導。

先輩のトラックがゆっくりバックしていく。

無事に脱出完了。

そう、で、そのとき思ったのよ。

「あら、なんか気持ちええ」

って(笑)。

たった数十秒の出来事。

道路工事のおっちゃんや、警備員さんなら毎日やってること。

でもその瞬間、不思議と道路全体が自分を中心に動いてる感じがした。

車が止まる。

待つ。

動く。

みんな自分の合図を見てる。

そう、

「これが“支配欲の充足”か?」

「なんと甘美な!(笑)」

って思ったのよ。

「支配欲」

案外こういう感覚なんかもしれんなと。

で、ちょっと怖かったのは、その感覚が思った以上に気持ちよかったこと(笑)。

ほんの数十秒。

わずかな瞬間。

でも、人を思い通りにコントロールするって、やっぱ快感なんよね。

たかだか車の誘導ですら(笑)。

たぶんこれ、人間のかなり根っこの欲求なんやと思う。

そう考えると、なんとなくいろいろ見えてくる。

政治家。

官僚。

社長。

先生。

親。

監督。

リーダー。

力の大きさや種類には差はあれど、人を動かす立場の人って、世の中にたくさんいる。

もちろん、みんながみんなそうじゃない。

でも、人を導いたり、判断したり、組織を動かしたりすることには、少なからず快感があるんやろうなって。

もし全然気持ちよくなかったら、あそこまで責任の重い立場なんて、誰もやりたがらん気もする(笑)。

「支配欲」なんて聞くと、たしかに怖い。

物騒(笑)。

でも、その欲そのものは、別に悪じゃない。

むしろ自然。

人間やから。

で、もし問題があるとすれば、その快感に飲まれることなんやろね。

「めっちゃ気持ちええやん!」

「もっと!」

「もっと思い通りに!」

「俺の言うこと聞かしたい!」

みたいな?(笑)

そうなったら、支配欲は少しずつ暴走を始める。

独裁。

強権。

パワハラ。

モラハラ。

束縛。

案外、入口は同じなんかもしれん。

だから本当に試されるのは、支配欲を満たせる立場に立った、その後なんやろね。

昨日のまっつんスタイルもそう。

「あ、気持ちええ(笑)」

まず、その快感に気付けた。

で、そのあと、もう一つ思った。

「一瞬でも場を支配したことに責任を持たねば」

「こちらの思い通りに動いてくれたことに感謝せねば」

とね。

止まってくれたドライバーさんの中には、急いでた人もおったかもしれん。

仕事へ向かう途中やった人。

家族を迎えに行く人。

早く帰りたかった人。

あるいはシンプルに驚いた人。

こっちは仕事で止めさせてもらった。

でも相手からしたら、予定を少し止められた側。

そう思うと、自然と頭が下がる。

「すんません、ありがとうございます」

って。

そういう、支配された側の心情に対する想像力を持てるかどうか。

支配することより、支配したあとに何を考えるか。

そっちの方が、その人の品格なんかもしれん。

で、禅って、こういうことなんかなとも思った。

今回はわりと自然にZENに行ける(笑)。

人間には欲がある。

支配欲もある。

承認欲も名誉欲もある。

それを無理やり消そうとはしない。

ただ、

「あ、今こう思ってるな」

って観察する。

一歩引いて眺める。

すると、不思議と欲に振り回されにくくなる。

いつも書いてるやつね(笑)。

でもホント、昨日の出来事は、その練習みたいな時間やった気がする。

数十秒だけ、道路を支配した。

いや、ホント気持ちよかった(笑)。

でも笑ったのが、

「あぁ、俺にもちゃんと支配欲があったんや(笑)」

って気づけたこと。

人を動かす力そのものより、その快感をちゃんと観察できる自分でありたい。

まぁそれはそれとして、また次の誘導の機会を、密かに心待ちにしてる自分もいる(笑)☆


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