なぜ人間は、無限に太り続けないのか? 〜ダイエットの停滞期から考える、身体の「普通」〜


ダイエットをしてると、あるとき、

「ぜんぜん減らん・・・」

って時期が来る(笑)。

いわゆる停滞期。

最初はまぁ順調。

セオリー通り、

食事を整える。

運動する。

ちゃんと寝る。

すると、体重が落ちる。

「お、ええ感じ!」

そう思ってたら、あるところから、

71.4kg。

71.2kg。

71.3kg。

71.4kg。

71.3kg・・・。

「ってお前、そこらへん好きやなぁ!」

ってなる(笑)。

で、正直、これについては、まぁ分かるのよ。

理屈は。

体重が減れば、その身体を維持するために必要なエネルギーも減る。

さらに減量中は、食欲や消費エネルギーなんかも変化する。

身体としては、

「おい、なんか最近エネルギー入ってこんぞ?」

「大丈夫なん?」

って感じなんやろう。

人間の身体には、今の状態をなるべく維持しようとする仕組みがあるからね。

だから、ダイエットってどこかで頭打ちになることがある。

なるほど、

人体って、よくできとる。

・・・。

と、ここでふと思ったわけよ。

「じゃあ、なんで太る方も頭打ちになるんやろ?」

って(笑)。

今日はこのネタを掘る。

例えば、毎日、けっこうな量を食べる人がいるとする。

ラーメン。

唐揚げ。

大盛りご飯。

お菓子。

ジュース。

お酒。

ついでに、なんか夜食。

仕事もデスクワーク中心。

運動はほとんどしない。

これをずーっと続けてたら?

70kg。

80kg。

90kg。

100kg。

110kg。

120kg。

130kg・・・。

って、死ぬまで延々太り続けそうなもんやん?(笑)

でも実際には、そうならない人がほとんど。

とはいえ世の中には、200kg、300kgみたいな、とんでもなくデ・・・、大きい人もいる(笑)。

アメリカ人なんか見てると、

「人間って、ここまでデカくなれるん!?」

「何を食うたんや!?」

みたいな人がいる(笑)。

でも一般的には、

「太ってる人」

って、毎年10kgずつ永遠に増え続けてるわけじゃない。

80kgなら80kg。

100kgなら100kg。

どこかで、ある程度落ち着いてる人が多い。

さて、これって、なんでなん?

考えてみたら、答えの一つはけっこう単純。

身体が大きくなれば、その身体を維持するためのエネルギーも増えるから。

例えば、

70kgの人が毎日3,000kcal食べて、それがその人にとってかなりの食べ過ぎやったとする。

仮にその人の消費が2,500kcalくらいなら、使う以上に入ってきてる状態。

となると、余る。

だから、太る。

でも、太って身体が大きくなる。

80kg。

90kg。

100kg・・・。

すると、その大きな身体そのものを維持するために必要なエネルギーも増えていく。

同じ距離を歩くにしても、70kgの身体を運ぶのと100kgの身体を運ぶのでは違う。

何もせんくても、維持せなあかん組織の量も違う。

これってつまり?

太った身体は、太った身体なりに維持費が高いってこと(笑)。

この理屈、お金で考えると分かりやすいかも。

月収30万円。

生活費20万円。

毎月10万円余る。

余った分が、どんどん貯金される。

ところが、生活規模が膨らんで、

家賃。

食費。

車。

光熱費。

その他もろもろ。

毎月30万円かかるようになった。

すると、同じ月収30万円でも、もう余らない。

どうこの例え?(笑)

でたぶん、身体も似たようなもんなんやろう。

最初は、

「3,000kcal? 多すぎ!」

やった。

でも身体が大きくなるにつれて、

「3,000kcal? まぁ、この身体ならそれくらい使うよね〜」

に変化していく。

で、どこかで、

食べるエネルギーと、

使うエネルギーが、

だいたい釣り合う。

そこで、体重の増加が鈍くなる・・・と。

なるほど。

太るのが止まるのは、“太った身体を維持するだけでもけっこう大変になるから”でもあるらしい(笑)。

しかも身体は、完全に無抵抗で太っていくわけでもないみたい。

例えば、脂肪細胞からは、レプチンっていうホルモンが分泌される。

ざっくり言えば、

「エネルギーの蓄え、これくらいありますよ〜」

って、脳へ知らせるシグナルの一つやね。

脂肪が増えれば、基本的にはレプチンも増える。

身体としても、

「もうかなり備蓄ありますんで」

っていう情報は出してるわけ。

食べる量が増えれば、食べたものを処理するために使うエネルギーも増える。

人によっては、無意識の身体活動なんかで消費が増えることもある。

つまり人体には、

痩せる方向だけじゃなく、

太りすぎる方向にも、一応ブレーキはある。

「好きなだけ太ればええやん」

っていう完全放任じゃない(笑)。

じゃあ、ここでまた疑問。

「それなら、なんで200kgとか300kgの人がおるん?」

「ブレーキがあるんやろ? 止めたらえやん?」

って(笑)。

これにはどうやら、いろんな要因が絡む。

遺伝的な違いもある。

病気や薬などが体重に影響する場合もある。

生活環境も違う。

食欲の調節だって、全員同じじゃない。

単純に、

「あまりに食べすぎたから」

だけで全部説明するのは、さすがに雑。

ただ、大きな背景の一つとして考えずにはいられないのが、

「現代の食環境、強すぎ問題」やね(苦笑)。

高カロリー。

高脂質。

高糖質。

甘い。

柔らかい。

食べやすい。

うまい。

飲み物だけでも大量のカロリーが取れる。

コンビニへ行けば、24時間食べ物がある。

スマホで注文すれば、マクドやピザが家まで届く。

ついでに現代は、一日ほとんど身体を動かさなくても生活できる。

できてしまう。

人類史の大半から考えたら、

こんな環境、異常やん?

なんていうか、“逆地獄”?(笑)

昔なら、

「5,000kcal食べたい!」

とか思ったところで、

「いやいや、食いもんないがな」

で終わる(笑)。

でも今なら?

「かしこまりました」

からの、

「ご一緒にポテトはいかがですか?」

やからね。

文明、強すぎ。

抗うの、ムズすぎ(笑)。

しかも肥満が進むと、

「脂肪が増えたからレプチンが増えて、食欲がきれいに下がって終了」

みたいな単純な話にも、どうやらならん。

ちょっと専門的な言い方をすると、

「肥満では、レプチンが多く存在してるのに、そのシグナルが期待通りに作用しにくくなる「レプチン抵抗性」がみられることもある」

例えるなら、

身体:

「備蓄? めっちゃあるよ」

脳:

「・・・(レプチン抵抗性発動中)」

身体:

「あの、聞いてる?」

脳:

「・・・(レプチン抵抗性発動中)」

現代社会:

「ピザ届きましたー!」

って感じ?(苦笑)

そりゃブレーキがあっても、アクセルが強けりゃ進んでまう。

でも、ここでさらにおもしろい(?)疑問が出てくる。

じゃあそもそも、

「なんで人間の身体は、太ることをもっと全力で防がんのやろ?」

「下手したら命の危機やん? 抵抗せーよ?」

って思うよね。

100kgになったら、

「もう食欲ゼロ!」

200kgになったら、

「食べ物を見るだけで満腹!」

くらいの仕組みがあればええやん?(笑)

なのに、そうはなってない。

これたぶん、人類の進化の歴史を考えると分かりやすいんかな。

人類が長いこと本気で警戒せなあかんかったのは、

「食いすぎ」

より、

「食えない」

の方やったってこと。

狩りに失敗する。

不作になる。

冬が来る。

災害が起きる。

病気になる。

食料がなくなる・・・。

現代みたいに、

「今日は食べすぎたから、明日はちょっとカロリー控えよ」

なんて悠長なこと言ってられん(笑)。

食える時に食う。

エネルギーを蓄える。

食えない時期を乗り切る。

そういう能力は、生存にとってめっちゃ重要やったはずなんよね。

だから人間の身体って、体重が減ってエネルギー不足が続くと、

「ちょっと待て!」

って強く反応するようにできてる。

食欲を高めたり、

消費エネルギーを節約する方向へ調整したり、

無意識の活動量が変わったり、

身体はけっこう必死。

要するに、

人体は、“痩せすぎ警報”には、けっこううるさい(笑)。

一方で、毎日いつでも、

レッドブル、

ファミチキ、

豚キム大盛り。

氷結。

ペプシコーラ。

好きなだけどうぞ。

しかも身体を動かす必要もありません。

そんな環境は、人類の長い歴史から見れば、めっちゃ新しい。

あまりに斬新(笑)。

だから俺らの身体って、

飢餓対策のセキュリティはめっちゃ強固。

でも、

飽食対策のセキュリティは、そこそこザル(笑)。

もちろん、太る方向への調整機能も、あるはある。

でも、キレイなシンメトリーになってない。

・・・うん、自分で書いてて、なんか納得。

人体を設計した神さま的な人がおったとしたら、

「いや、こんな毎日バカバカ食えるような世界になるとは思わんやん?」

って言いそう(笑)。

となると、次にまた気になる問いが浮かぶ。

どこまでいくん?(笑)

「じゃあ、人間にはそれぞれ“適正体重”みたいなものが決まってるん?」

これ、よく聞く、

「セットポイント」

ってやつね。

身体には一応、

「だいたいこのへんの体重でいたい」

という設定があって、そこから外れると元に戻そうとするらしい。

そんなイメージ。

これなら、

ダイエットすると戻りやすい。

太ってもどこかで落ち着く。

っていう現象を説明しやすい。

でも実際の身体は、そんな単純なサーモスタットみたいなもんでもないらしいけど・・・。

生まれつき、

「あなたは71.4kgです!」

って設定されてるわけじゃない(笑)。

遺伝。

病気や怪我。

筋肉量。

運動量。

食習慣

生活環境。

それまでの体重。

いろんなものが絡み合う。

だから、

「決められた一点へ絶対戻る」

っていうより、

身体が落ち着きやすい範囲がある、

くらいに考えた方が、しっくりくるかな。

しかも、その範囲自体がまったく動かないわけでもない。

長い時間をかけた生活習慣によって、身体の状態も変わっていく。

この感覚は実際、まっつんスタイルも体験済み。

つまり、

「俺は太りやすいから一生この体重!」

でもないし、

「カロリーさえ計算すれば体重なんて完全に自由自在!」

でもない。

このへんが人体のおもろいところ。

いちいち単純じゃない(笑)。

で、ここまで考えると、ダイエットが難しい理由も改めて見えてくるよね。

例えば、長いこと80kgで暮らしてきた人が、

一気に70kgまで落とす。

本人、

「よっしゃー!」

身体、

「・・・」

本人、

「10kg減ったぞ!」

身体、

「いや、誰が70kgでええって言うたん?」

ってリバウンドする気満々(笑)。

体重が落ちた。

必要なエネルギーも減った。

さらに減量によって、食欲やエネルギー消費にも変化が起こる。

本人は、

「ダイエット成功!」

と思ってる。

でも身体からしたら、

「最近ずっとエネルギー不足やん」

かもしれない。

だから、

食べたい。

動きたくない。

元に戻りたい。

そんな方向へ引っ張られる。

これが、

「痩せるより、痩せたあと維持する方が難しい」

って言われる理由の一つなんやろね。

ここで思うのが、もしかして体づくりって、

「身体をコントロールして、ねじ伏せるゲームじゃないんちゃう?」

ってこと。

「一ヶ月で10kg落とす!」

「食わない!」

「走る!」

「耐える!」

「根性!」

これ、健康診断前のおじさん(笑)。

でも、

身体:

「何が起きとんねん! ついていかれへん!」

(笑)。

数字だけなら、短期間でもある程度動かせる。

でも、それを一生続けられないなら、いつかは元の生活に戻る。

元の生活に戻れば、体重だって戻りやすいのは当然。

だったら必要なのは、

身体との戦争じゃなくて、

身体との長期交渉

なのちゃうかな?

食べる量を変える。

食べるものを変える。

筋肉をつける。

ちゃんと歩く。

しっかり寝る。

それを、

「ダイエット期間中だけやる特別なこと」

じゃなくて、

“それが普通”の生活にしていく。

身体に、

「これが新しい日常ですよ」

と覚えてもらう。

67kgが普通だった身体で、

無理やり65kgを一瞬作るんじゃない。

65kg前後で普通に食べ、

普通に動き、

普通に暮らせる生活を作る。

その状態を続ける。

そうやって、

「頑張って維持してる身体」を、「ただの俺」に変えていく。

意味がわかるかな?

これができたら、ホント強い。

まっつんスタイルが時々言う、

「ダイエットはライフスタイルそのもの」

ってやつね。

たぶん人間の身体って、とにかく急激な変化が嫌いなんやろうね。

体温もそう。

血圧もそう。

水分もそう。

塩分も、

コレステロールも、

血糖値もそう。

いろんなものを、

「だいたいこのへん」

に保とうとする。

人間の意識だけが、

「来月までに激変したい!」

「夏までに腹筋割りたい!」

「三週間で人生変える!」

とか言ってる(笑)。

身体はたぶん、

「ちょ待てや!」

「そんなん知らんがな」

「急に変えられてもキツいで」

って思ってる(笑)。

おもしろいもんで、これ、なんか人間そのものにも似てる。

生活を変える。

仕事を変える。

住む場所を変える。

新しいことを始める。

頭では、

「変わりたい!」

とか思ってる。

でも、実際に変化が始まると、

不安になる。

昔の生活が恋しくなる。

元へ戻りたくなる。

慣れた場所って、居心地がいいから。

良い悪いじゃなく、

“今まで通り”にはものすごい力がある。

最近、引越しと転職を経験したまっつんスタイルは、まさにそのど真ん中にいる(笑)。

でこれ、身体も同じ。

「変化するな」

じゃない。

変化するなら、

「おっしゃ、今日から全部変えるぞ!」

じゃなくて、

「まぁまぁ、ちょっとずつ行こうや」

くらいの方がいいのよねホントは(笑)。

さて、最初の問いに戻る。

「ダイエットは、なぜ頭打ちになるのか?」

そして逆に、

「なぜ人間は、同じ量を食べ続けても、永遠に同じペースで太り続けないのか?」

一見、真逆の現象。

でも根っこは、どうやら同じ話。

身体は、変化した身体に合わせて、また新しいバランスを作ろうとする。

痩せれば、痩せた身体なりの消費になる。

太れば、太った身体なりの維持費が必要になる。

食欲も変わる。

活動も変わる。

ホルモンも変わる。

で、どこかでまた均衡する。

もちろん、その調整能力は万能じゃない。

個人差もある。

現代の飽食環境はあまりに強力。

だから、とんでもなく太ることもある(笑)。

逆に、人間の身体は飢餓にはかなり敏感やから、

痩せようとすると猛烈に抵抗されることもある。

うむ、人体はなかなかにめんどくさい(笑)。

でも、そんな身体を、

「なんで言うこと聞かんねん!」

って敵扱いするのも、それはそれで違う。

身体からすれば、何万年、何十万年と、人間を死なせないためにやってきたことなんやろうから。

「エネルギーが足りん?」

→「節約せぇ!」

「食える?」

→「食え!(蓄えろ!)」

「身体が変わった?」

→「じゃあその新しい状態でバランスを取れ!」

そうやって俺ら人間を生かしてきた。

その身体に、現代人がいきなり、

「彼女に腹筋見せたいから、あと3kgよろしく」

って言ってる。

そりゃ、

「いや、知らんがな」

ってなる(笑)。

だから体づくりって、

身体との戦争じゃなくて、身体との対話

っていうのはさっきも言った通り。

いや、

身体との外交交渉やな(笑)。

人:「もうちょい脂肪落としたいんやけど?」

身体:「無理」

人:「いやそこをなんとか」

身体:「食料不足ちゃうん?」

人:「いやいや、毎日ちゃんと入ってきます」

身体:「ホンマかいな?」

人:「ホンマです」

身体:「うん・・・、じゃあ、ちょっとだけ」

そんな交渉を、

一日、

一週間、

一ヶ月、

半年、

一年。

ゆっくりゆっくり続ける。

するといつの間にか、昔なら頑張らんと維持できんかった身体が、

“これが普通”

になってたりする。

「ダイエットが頭打ちになる理由」

から始まった、

「じゃあ、なんでデ◯も無限には太らんの?」

っていう、どうでもいい問い(笑)。

考えてみたら、人間の身体がいかに、

「今まで通り」

を大切にしてるかが見えてきた。

身体って、意外と保守的(笑)。

まぁ、何十年も俺らを生かしてくれてるんやから、

あんまり無茶を言わず、

焦らず、

急がず。

でも、少しずつ。

身体と仲良く交渉しながら、自分にとって心地いい「普通」を作っていけばいいってことやね☆


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